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「さま」がいい人、「さん」がいい人、「さま」が慣れていないだけの人、考えや感じ方は人それぞれです。もしかしたら一番いい方法は、一人一人にご希望をお聞きして、お好きな呼称を選んでいただくことかもしれません。当院でその方法をとることは不可能ではありませんが、医療の安全性などもっと優先的に気を配ることが多いため、当面はやはり呼称を統一させていただきたいと思います。で、どっちを使うかなのですが・・・。
「さま」はよそよそしいという意見をよく耳にしますが、私は単に慣れだけの問題だと思います。「さま」を使っても一流ホテルは心のこもったおもてなしができるのです。「さま」は丁寧なように思える一方、こんな言葉を使う医療現場は大丈夫かなという思いが私にはあります。「さま」はやはりどうしても一枚のフィルターを通して、人と人とが接しているように感じてしまうのです。気取っているとまではいかなくても、お互いすましているような、プライバシーには立ち入りませんというような拒絶性があるように思えてなりません。実際の医療の現場ではそのような一線を画するようなやり取りではすまない場面によく遭遇します。
極端な例ですが、救命処置の場合には、もっと肉弾的な、根元的なコミュニケーションが求められますし、慢性の病気の一部には相手の心の中に立ち入らざるを得ない場面もあるのです。そのようにもっと医療者と患者さんが近い関係になる呼称としては「さん」がふさわしいのではないか、そんな気がしています。従来からある「さん」の呼称の深さに挑戦していきたい、そんな魂のある医療を提供したいという覚悟を持って「○○さん」とお呼びしたいと思います。
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