耳鼻咽喉科サージクリニック 老木医院
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 実際に寄せられたQ&A
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Q5

一度でるとかなり頑固な耳だれがあり、ここ数年は少し聞こえにくい感じもあります。通院先では何度か手術を勧められましたが、踏み切れません。手術をしないで過ごすことはできますか。

(42歳 女性)

A

 中耳炎の程度は徐々に進行しているように見受けられ、その点が心配です。私としましては、やはり勇気を持って手術を受けることをご決断頂きたいのですが、手術というと誰しもためらいますし、他にも仕事や家庭の事情もおありでしょう。お仕事やご家庭の事情は私にはわかりませんので、医学的に選択枝を分析してみましょう。

 まず、手術を受けていただいた場合、最良の結果は、耳だれがなくなり、聴力がよくなり、中耳炎が完全に治ってしまうことです。このような最良の結果が見込まれる確率は中耳炎の程度や種類によって大きく変わるのですが、おおざっぱに40%〜95%くらいと考えていいと思います。また手術を選択して最悪の結果は、鼓膜の穴が治らず(おこる確率は1%程度)、耳漏が続き(やはり1・2%程度)、顔面神経麻痺(確率は0.2%位か)が残ることです。もっと最悪の結果は手術中、麻酔の事故などで死亡すること(確率は0.00X%位でしょう)です。確率的には非常に低いとはいえ、やはり手術に危険性はつきものです。手術を受けるということはそれらのリスクを背負うことにほかなりません。

 一方、手術を受けない場合、最良の結果は、おそらく現状維持で、ときに耳だれがで、やや聞こえにくい感じが続くということでしょう。この現状維持の確率は炎症の程度にも大きく左右されるのですが、5〜15%といったところではないでしょうか。もちろん、真珠腫というタイプの慢性中耳炎ではこのような楽観的な数字は決して出せません。そして最悪の結果は、中耳炎がどんどん進行し、ひどい難聴になったり(確率は数%〜20%位か)、めまいが起こったり(確率はやはり数%程度)、髄膜炎(0.X%といったところでしょうか)、顔面神経麻痺(0.00X%位)などがありえます。もちろんやはり最悪の結果は髄膜炎や脳膿瘍で死に至る(0.00X%くらいかな)ことです。

 手術を受ける場合と受けない場合のそれぞれの、最も確率的に期待できる中間の事象を考えると、手術を受けた場合、聴力がまあまあ良くなり、耳漏もほぼ止まることが期待できます。一方、手術を受けない場合、徐々に耳漏が止まりにくくなり、難聴も年々進行していくものの、めまいや髄膜炎はおこらない、けれども耳鼻科受診が欠かせない、といったような状況が見込まれます。

 以上の点から、医学的にだけ判断すると、手術を受けた方が得なように私には思えます。しかし、他にも冒頭で書きましたように、仕事、家庭の事情や費用など、様々な要素を加味した上で、ご判断頂くことになります。

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